じゅげむの脳筋ぶろぐ

都内の筋肉系ゲームクリエイター「じゅげむ」の雑記

モチーフとコアアクションの重要性について

新しいゲームを企画するための手法はいくつか存在するが、そのうちのひとつとしてモチーフコアアクションを区別して考える方法がある。 この手法を用いることにより、組み合わせを変えながら多くのアイデアを検討することができるからだ。

例えば、ラブライブ!を例にしてみよう。このゲームは美少女アイドルをモチーフとし、リズムに合わせてキャラクターをタップする音ゲーをコアアクションとしている。こうして分けて考えることによって、例えばモチーフをアイドルではなくヴィジュアルバンドに変えてみたらどうだろう。とか、アイドルをイケメンに変えてみたらどうだろう。といった具合でいくつものアイデアを出すことが可能なのだ。

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ゲームの大まかな方向性が決まれば、あとは細かい設定やルールを調整してゲームを作っていくことができる。

モチーフとは

絵画や芸術の分野では「表現をする動機である着想」のことを指しているが、ゲームにおいては世界観を決定づける題材を指すことが多い。特にアプリ業界では、説明が必要な世界観は敬遠されがちなので、有名でお約束のモチーフを選定すると良い。例えば、スクエア・エニックスのグリムノーツのモチーフは「グリム童話」である。グリム童話のキャラクターなら、大半の人が知っているので、ガチャで偶然出会った初見キャラクターでも愛着が湧きやすい。 パズドラのように多くのキャラクターが登場するアプリでは、異なる世界観のモチーフが同じゲームに混在する場合もある。このほか、IP(ドラゴンボールやブリーチのような版権もの)のように、すでに世界観が構築されているシリーズをモチーフとして使うことも増えてきている。

コアアクションとは

ゲームにおけるコアアクションは直感的で簡単であることと、極めるために奥が深いことが重要である。このふたつの性質は逆ではなく共存可能な性質である。例えば、クラッシュオブクランは召喚したいフィールドをタップすることで直感的に駒の召喚ができるが、駒を召喚するタイミングや駒の性質によって戦況が大きく変わる。結果のすべてを予測しきれないほど多くの要素によってゲームをデザインすることで奥深さを作り出している。

モチーフを変えてヒット確率を上げる手法

最近のアプリ業界の傾向として、ヒット作のコアアクションを利用してモチーフを変更したゲームが多くリリースされている。これは、制作費が上がってきたことにより、以前のように斬新なコアアクションに挑戦しづらい風潮が一因となっているようだ。このようなゲームはユーザにパクリゲームと言われて叩かれがちなのだが、制作側は「パクっている」つもりはないだろうし、これだけゲームが氾濫しているなかで似たゲームがでることは仕方がないことである。筆者もこれが悪だとは思っていないし、むしろヒット確率を上げるために必要な行為だと考えている。

コロプラのヒット作に白猫プロジェクトというゲームがある。このゲームは3Dアクションゲームがことごとく失敗していた当時のモバイルゲーム市場に、彗星のごとく現れて大ヒットした挑戦的なゲームだった。このヒットを受けて、3Dアクションゲームが市場に受け入れられるようになりこのコアアクションに対して様々なモチーフを変えたタイトルが発売されている。例として「サムライライジング」と「BLEACH ブレイブソウル」を挙げる。

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サムライライジングは白猫に似たコアアクションに「和」のモチーフを加えてデザインされている。ゲーム画面は白猫と見間違うほどそっくりに見えるが、白猫には足りなかった要素を加えて作り直されており、かなりクオリティの高いゲームとなっている。

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また、「BLEACH ブレイブソウル」も同様にコアアクションは白猫にそっくりだが、少年ジャンプの人気IPをモチーフとすることで全く違った世界観にリメイクされている。白猫のコアアクションはキャラゲームと非常に相性が良いので、IPモチーフとは非常に良く噛み合っている。

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このように、魅力的なコアアクションにモチーフを載せ替える手法はアプリ業界でよく使われている。もし、ゲームの企画に行き詰ったときは、モチーフとコアアクションを切り離して様々な可能性を検討すると求められている正解に近づくかもしれない。 ただし、この手法を用いて企画されたゲームは本家と比較されるデメリットが存在する。当然のことを書くが、単純に「パクる」だけでは成功しづらい。それは、モチーフとコアアクションの組み合わせが噛み合っていることが求められるからである。もし、明らかにパクりゲームを作った上につまらないをリリースしたのでは、むしろ会社のブランドを下げることに繋がる。クリエイターなら、より細かな部分の仕様を綿密に考え抜き、クオリティの高いゲームを作り上げたいものである。